脂肪酸には二重結合を持つ不飽和脂肪酸とこれを持たない飽和脂肪酸とがある。動物は飽和脂肪酸を合成することが可能であり、一部の不飽和脂肪酸を合成することも可能であるが、リノール酸とリノレン酸は合成できない。このため、これら二つの脂肪酸は必須脂肪酸と呼ばれ、植物由来の物を食餌から摂らなければならない。不飽和脂肪酸の摂取率を上げることは細胞膜の柔軟性、ひいては細動脈の柔軟性につながるため、動脈硬化の予防・改善に重要である。また、不飽和脂肪酸は細胞膜の柔軟性を保つために必要であるのみならず、特にリノール酸とリノレン酸は生理活性物質であるプロスタグランジン、トロンボキサン、ロイコトリエンの材料として必須の要素である。